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恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

とりあえず、部屋に戻って留架様に頼まれた仕事を片づけてしまおう。

そう思って、自室へと足を進める。

「えっと…まずはこれを…」

机の上には、大量の書類。

これを、全部片付けないといけない。

「はぁ…」

先が遠い。

徹夜しないと終わらないくらいの量だけど…

『今夜…俺の部屋に来い。』

ニック様に呼び出されている。

そろそろ…補佐的な仕事をしてくれる人が必要ですね。

「とりあえず…やりますか。」

考えていても仕方がない。

とにかく、手を動かさないと。

「………」

たしか…この書類は、もう使わなくて…

これは、留架様に頼まれたものだから、先に終わらせておこう。

「もしもし? お忙しいところをすみません。 実は、あの件なんですが…」

手配しないといけないことが山積みだ。

「はい。 はい。 では、お願いします。」

次は…

電話を切り、また別の場所へかける。

「えぇ…はい。 では、また。」

「失礼します。」

「どうぞ。」

少し片付け終わった時、使用人が扉をノックして入ってきた。

「お仕事中に、申し訳ありません。」

「いいですよ。 どうしましたか?」

そうだ。

この人に、補佐を任せてみようかな。

新人だけど、真面目だし…仕事もきちんとこなしている。

「そろそろ、お食事の時間です。」

「あぁ…そうでしたね。 行きましょうか。」

新人君と一緒に部屋を出て、食堂に向かう。

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