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恋ばか

第35章 ~おまけ2~

「さ、部屋に戻って朝ごはんにしようか。」

「そうだね。」

鏡夜を見つけて安心したら、お腹空いてきた。

「カイン、来い。」

亮がそう命令すれば、カインは俺達の後にきちんとついてくる。

……いい子だ。

「にゃ~。」

「ん? 俺?」

食堂に向かう途中、俺の腕の中にいた鏡夜が亮に向かって鳴いた。

どうしたんだろう。

亮に向かって鳴くなんて。

「にゃ!!」

「ぉわっ!!」

かと思えば、鏡夜は亮に飛びついた。

「ちょ、鏡…」

また亮に噛みつくのかと思って止めようとした手が止まる。

へ?

「にゃ~にゃ~。」

「「……………え?」」

亮にじゃれてる…?

え? なんで?

「にゃ~。」

「鏡夜…?」

「にゃ?」

何事? え?

「鏡夜君?」

「にゃ゛!!」

「痛っ!!」

亮になついたのかと思っていたら、亮が鏡夜に触れようと伸ばした手に、鏡夜は噛みついた。

「鏡夜!!」

「大丈夫だよ、留架。」

「え?」

大丈夫?

「甘噛みだから。」

「にゃ~。」

ちゃんと加減して噛んだ…?

「にゃ~。」

俺の肩の上に戻ってきた鏡夜は、亮に向かってもう一度鳴いた。

「……なるほどね。」

「??」

なんか、俺の知らないところで二人が意志疎通してるんだけど。

「なに?」

「いや…少しは、気を許してくれたってことだよ。」

「??」

わけわからん。

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