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恋ばか

第35章 ~おまけ2~

「? 鏡夜?」

「失礼します。 亮様、朝食の準備が…」

「鏡夜!?」

三神が部屋に入ってきた途端、鏡夜は部屋を飛び出した。

「鏡夜!!」

慌てて後を追いかけたが、既に鏡夜の姿は見えなかった。

「三神、鏡夜どっちに行った?」

「あの方向ですと…裏庭かと…」

三神の言葉を聞いて、裏庭に走った。

「カイン!! 鏡夜君を…」

後ろで、亮がカインを呼んでいるのを聞きながら、全力で裏庭に向かう。

この屋敷には、たくさんの動物が飼われている。

もちろん、犬はカインだけじゃない。

中には、猫嫌いの犬もいるだろう。

「鏡夜!!」

裏庭に着き、名前を呼んでも、鏡夜は姿を現さない。

見つからなかったら、どうしよう。

「留架!!」

「っ…亮…」

少し遅れて、亮とカインが裏庭に走って来た。

カインは立ち止まることなく、中庭に入っていく。

「鏡夜君、いた?」

「…ううん…いない。」

鏡夜…どこに行っちゃったんだろう。

「そっか…カインが捜してるから、すぐ見つかると思うけど、俺達も捜そう。」

「うん…」

もし、他の犬に苛められてたりしたら…

「大丈夫だよ。 鏡夜君は絶対見つかるって。

だって、鏡夜君は留架のこと大好きだろ? 必ず戻ってくるよ。」

「亮…」

亮の言葉に、少しだけ気分が軽くなった気がした。

「ほら、早く捜そう。」

「うん。」

そうだ。 不安がってる場合じゃない。

少しでも早く、鏡夜を見つけないと…

「鏡夜~!!」

「鏡夜君、出ておいで!!」

捜し始めて十分くらい経った頃。

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