
恋ばか
第35章 ~おまけ2~
「着いたね。」
カインから鏡夜を遠ざけるのに必死になってる間に、亮の家に着いてしまった。
「留架様。 私は用事があるので、今日はこれで失礼します。」
「あ、うん。 わかった。 お疲れ様。」
用事? 仕事じゃなくて?
そう思ったけど、三神が足早に去ってしまったので、気にしないことにした。
「お帰りなさいませ、亮様。」
「あぁ、ただいま。」
あれ?
坊ちゃまから亮様になってるし。
「留架、お風呂に入ってきなよ。」
「あ、うん。」
まぁ、春から大学生になるのに、坊ちゃまっていうのもどうかと思うけどさ。
「鏡夜、先に部屋で休んでな。」
「にゃ~…」
鏡夜を亮に託し、風呂場に向かう。
「さっさと上がろう。」
あんまりのんびり入ってたら、亮が入って来る気がするし。
「ふぅ…」
久しぶりに湯に浸かるな。
向こうはそういう習慣がないから。
「お邪魔しま~す。」
「!!?」
気を付けてたのに…
亮が風呂場に入って来てしまった。
「留架…」
「ん…」
体をさっと洗うと亮は湯船に入り、俺を後ろから抱きしめてきた。
「ちょ、亮っ…」
「……会いたかった。」
耳元で弱弱しく響く亮の声。
