
恋ばか
第35章 ~おまけ2~
「あ、もうこんな時間だ。」
「ほんとだ。」
時刻は九時になりかけているところ。
「そろそろ帰るか。」
「そうだね。」
結局、お祖父様に会えなかったな。
「空は?」
「俺は今日は泊まってく。」
…ってことは、春架は明日の朝死んでるな。
うん。
そっとしておいてあげよう。
「リチャードはどうするの?」
「ボクはホテルにトまルヨ!!」
ホテルか。
リチャードが泊まる部屋、用意してあげればよかった。
「じゃ、帰ろうか。」
「うん。」
亮の頭の上にいる鏡夜を抱き上げ、部屋から出る。
「また明日ね。」
「あぁ。」
「うんっ!!」
最後に春架に思いっきり抱きつかれてから、車に乗り込んだ。
「…三神、どうしたの?」
「え、はい?」
さっきから、挙動不審というか…
「顔、真っ赤だし。」
「そ、そうでしょうか?」
珍しく噛んでるし。
なにかあったのだろうか。
「ワン!!」
「にゃ゛っ!!?」
三神に気を取られていたら、鏡夜がカインにいじめられていたことに気が付かなかった。
「こら、カイン!!」
鏡夜、半泣きだし。
