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恋ばか

第35章 ~おまけ2~

「こら!! 留架様を呼び捨てにするとは、なんて失礼な…」

「いいんですよ。」

院長の言葉を遮り、鏡夜に近づいた。

「久しぶり、鏡夜。」

「…久しぶり…だな。」

ふふふ。

驚いている鏡夜。

こんな顔、初めて見たな。

「院長。」

「あ、はい。」

部外者がいると話しにくいよな。

「わざわざ挨拶に来ていただいて、ありがとうございました。

ちょっと、彼をお借りしてもよろしいですか?」

「え? あ、はい。 どうぞ。」

俺の言葉に院長は首を傾げたが、一礼して出て行った。

「さてと…」

これで心置きなく話ができる。

「留架…お前一体…」

「ん?」

鏡夜がこんなに驚くなんて、予想してなかったな。

そんなに意外だった?

「じゃあ、改めて自己紹介しようか。」

「…………」

その方が手っ取り早いし。

「俺は桜木留架。 桜木財閥の長男。」

「…ぇ?」

俺は、この部屋にいるみんなを順番に紹介していくことにした。

「そこにいるのが俺の弟。 桜木春架。」

「こんにちは。」

そう紹介すると、春架は無邪気な笑顔を浮かべた。

「その隣に座ってるのが小泉空。 春架の恋人で、小泉財閥の跡取り息子。」

「…どうも。」

もう…相変わらず愛想悪いんだから。

「で、そっちにいるのが俺の幼馴染の五十嵐境。 五十嵐財閥の一人息子。」

「よっ。」

境…相変わらず軽いよな。

「隣にいるのが黒澤一臣。 境の恋人兼執事兼元担任。」

「よろしく。」

改めて言葉にすると、カズってなんかすごいな。

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