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恋ばか

第35章 ~おまけ2~

「なんですか?」

『…………………』

え……? それが条件?

「……わかりました。 話してみます。」

先生の言葉に頷いて、電話を切った。

「うまくいきそう?」

「あ、うん。」

亮の質問に答えると、亮は嬉しそうに笑った。

「そう。 よかった。」

「お前、あの先生と知り合いだったのか?」

電話の内容を聞いて、境がそう尋ねてきた。

「うん。 知り合いっていうか…リチャードに連れられて、病院に行った時に挨拶しただけだよ。」

リチャードの父親は、有名な医者。

あの先生が働いているのも、リチャードの父親が経営している病院だ。

だから、リチャードと先生は知り合いなのだ。

「へぇ…お前の親戚はすごいな。」

「そう? 人脈の多さで言ったら、境の方がすごいんじゃない?」

五十嵐家と言ったら、人脈の多さはもちろん、裏の世界でも有名である。

小泉家も負けていないが。

「まぁな。 小原家には敵わないけど。」

「そうだね。」

「そんなことないだろ。」

小原家は、ここにいる誰の家よりも大きい。

日本一の大企業と言われているから当然だが。

「失礼します。」

軽いノック音の後、使用人の声が聞こえた。

「院長様がいらっしゃいました。」

「通して。」

そう言うと、院長の声で「失礼します。」という声が聞こえた後、扉が開いた。

「お久しぶりです、留架様。」

「留……架………?」

「お久しぶりですね。」

院長と一緒に部屋に入って来た鏡夜は、俺の姿を見て目を見開いた。

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