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恋ばか

第35章 ~おまけ2~

「この人は?」

「世界的に有名な医者。 ゴッドハンド…『神の手』を持つ医者だって言われてるらしい。」

神の手…

本当にそんな人が?

「ただ、問題なのは費用だ。

この人の手を借りるには、何千万もの大金がかかる。」

「そっか…鏡夜は、自分で手術すれば、その費用がかからないと思って…」

それでも…たとえ、鏡夜が医者になれたとしても、望さんを治せるとは言い切れない。

「今、鏡夜はどこにいる?」

「わからないんだ。 兄ちゃんと別れてアメリカから帰ってきてから、行方が掴めなくて…」

それじゃあ、鏡夜を探しようがない。

「望さんのところには帰ってきてないの?」

「あぁ。 親父の組の者にずっと見張らせてるんだけど、それらしき人間は来てないって。」

うーん…どうやって探せば…

「失礼します。」

三人で唸っていると、ドアのノック音とともに、三神が入ってきた。

「どうしたの、三神。」

「見ていただきたい物がございまして。」

そう言って三神が取り出したのは、春架と同じような封筒。

「??」

不思議に思いながら、封を開ける。

「これっ…!!」

「はい。 留架様が探しておられる人物です。」

中の書類には、鏡夜の写真と、今何をしているのかという情報が書かれていた。

「どうしてこれ…」

「偶然なことに、鏡夜様は桜木財閥が経営している病院に就職されたようです。」

俺より一カ月早く帰って…国家試験を受けたのか。

それで、その試験に合格したってこと?

「大変優秀なようですね。

入社してから時間が経たないのに、将来の医院長候補と呼ばれるくらいです。」

さすが鏡夜だな。

「うちの病院か…」

「見つかったな。」

うちの病院なら、なにかと都合がいいかも…

これなら、あの世界的に有名な先生も呼べるし…

あとは、お祖父様に許可をとれば…

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