テキストサイズ

恋ばか

第35章 ~おまけ2~

「なんで鏡夜は、うちの病院に就職したんだろう?」

「お前の会社だからじゃねぇの?」

境の言葉に、首を振る。

「俺、鏡夜に桜木財閥の御曹司だって言ってない。」

「言わなかったのか?」

鏡夜はそんなこと気にしなかったし…

それに、桜木財閥の御曹司と知っただけで、周りは俺を特別扱いする。

鏡夜には普通に接してほしかった。

「………」

まぁ、例え知ったとしても、鏡夜は変わらない。

今ならわかる。

「とにかく、鏡夜に会わないと。」

「別に、明日でもいいんじゃね?」

「え?」

すぐにでも鏡夜に会おうとした俺は、境の言葉に止められた。

「お前の気持ちもわからなくはないけどな。

亮の気持ちも考えてやれよ。

あいつは3年もお前を待ってたんだぜ?

俺達は連絡とってたからいいけど、あいつはそれすらしてないんだから。」

それは、俺だって同じだ。

3年間、どれだけ亮に会いたかったことか。

でも、鏡夜がいなかったら戻ってこれなかったわけで…

「……そうだね。 焦る必要ないか。」

「あぁ。」

そうだ。

焦る必要なんかない。

あの頃とは違う。

今は…一番愛しい人が隣にいてくれるんだ。

「戻ろうか。」

「うん。」

「おう。」

四人で部屋を出て、亮のいる部屋に戻る。

「ただい…」

「留架!!」

「春架!!」

「境!!」

「「「!!?」」」

部屋に入った瞬間、俺たちは部屋で待っていた三人に抱きしめられた。

な、なにごと…?

「亮…どうしたの?」

「全然帰ってこないから、本当に3Pしたのかと…」

「「「するわけないだろ!!!」」」

亮の言葉に、三人同時に突っ込んだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ