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恋ばか

第35章 ~おまけ2~

「アメリカに行って初めて、みんなの大切さを知ったよ。」

「……」

隣にいてくれる人が誰もいない世界。

「亮への想いも、日ごとに増えていった。」

毎日毎日、亮のことを想う日々。

「俺にとって、亮がどれだけ大きな存在なのか、思い知ることになった。」

この三年で気づいたことは…

「俺は、亮がいないと生きていけない。」

「留架…」

俺の人生に、亮はなくてはならない存在だ。

「俺は一生亮から離れないつもりだけど、亮はそう思ってくれてるかな?」

「お前…」

俺の考えがわかったのか、境は驚いて俺を見た。

「亮の気持ちを確かめるために、こんなことを…」

「うん。」

少し酷なやり方だったかもしれない。

でも…

俺は、亮の本当の気持ちが知りたい。

「じゃ、そろそろ亮を呼んでくるか。」

「ありがと。」

境は俺の肩に乗っている鏡夜をそっと抱き上げた。

「こいつがいたら、ゆっくりできないだろ?」

「…」

境の言葉に苦笑し、その後ろ姿を見届けると、再び視線を中庭に戻した。

「懐かしいな。」

本当に懐かしい。

三年間、この景色を見たいと何度思ったことか。

「留架っ!!」

「…亮。」

しばらくすると、亮が息を切らせてやってきた。

「本当に…また行っちゃうの?」

「…うん。」

悲しそうな亮から、視線を中庭に移した。

「ここの景色を忘れないようにしようと思って…」

「…っ…」

亮…嘘ついてごめんね。

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