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恋ばか

第35章 ~おまけ2~

「今大丈夫?」

『大丈夫だよ~。 どうしたの?』

リチャードの問いに、俺は亮の方を見てにっこり笑いながら答えた。

「そっちに帰る。」

「ええ!!?」

『ワーオ!!』

俺の答えに、境は納得したように頷いた。

「まぁ、そうなるわな。」

「なんで!!」

「と、いうわけで、チケットの手配よろしく。」

『OK。』

リチャードとの電話を切ると、亮に腕を掴まれた。

「なに?」

「どうして帰るの?」

「ん?」

今までにないくらい冷ややかな笑みを浮かべると、亮は手を離した。

「自分の胸に聞いてみな。」

「え゛!?」

亮にそう言い、境を振り返る。

「境、準備手伝って。」

「おう。」

境と一緒に部屋を出る。

「さすがにやり過ぎたか?」

「まぁ、あれくらいじゃへこまないよ。」

さっきの亮の顔、面白かったな。

「俺もいろいろやられてきたし、仕返しにはちょうどいいよ。」

「そうか?」

そう話しながら、いつかの中庭に出た。

「時間潰すなら、ここがいいだろ。」

「うん。 懐かしい。」

三年前…ここでいろんなことがあった。

「毎日一緒にいるのが当たり前だったよね。」

「あぁ。」

誰かがいないのなんて、考えもしなかった。

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