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恋ばか

第35章 ~おまけ2~

「…………」

「いつものことだから気にすんな。」

いつものことって…

「お前さ、どこに住むんだ?」

「ん?」

そういえば…事故に遭ったあの日以来、亮の家に行っていない。

荷物は三神に頼んで処分してもらったし…

「俺んち。」

「え!?」

俺に代わって、亮が質問に答えた。

「準備とかしてないでしょ!!」

「なんとかなる。」

そんな根拠もなく…

「あの、留架様…」

「ん?」

その様子を見ていた三神が声をかけてきた。

「まことに勝手ながら、既にお部屋を用意させていただきました。」

「え゛!?」

三神の言葉に、亮はにっこり微笑んだ。

「さすがだな。」

「ありがとうございます。」

「………」

この二人の組み合わせ、最悪だ。

「どこの部屋だ?」

「亮様のお隣の部屋です。」

「………」

……頭が痛くなってきた。

「完璧だな。」

「留架、どんまい。」

「………」

境が吹き出しそうになるのを我慢しながらそう言ってきた。

「しかし…ベッドを留架様のお部屋にご用意しておりません。」

「すばらしい。」

「………」

俺は無言で立ち上がると、携帯を取り出した。

「留架?」

『もしもし?』

「あ、リチャード?」

電話を掛けた相手は、リチャードだ。

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