
恋ばか
第35章 ~おまけ2~
「どうしたんですか?」
「……お前な…」
本人は自覚がないのか…
「…お前が悪いんだからな。」
「ぅわっ!?」
次の瞬間には、先ほどの俺と同じように、春架は空に押し倒されていた。
「空さ…んっ!?」
「留架、お前さ。」
「ん?」
キスしてる二人を完全に無視して、境が声をかけてきた。
「んんっ…」
「その鏡夜って人を好きになりそうにならなかったのか?」
「鏡夜を?」
境の質問に、亮が反応した。
「ぁっ…空さ…んっ…」
「ん~…」
「そこ、悩むところなの?」
俺が答えないからか、亮が不満そうに口を挟んでくる。
「ちょ、もう…ッ…」
「ま、何度か亮と重ねたことはあるかな?」
ところどころ春架の声が入ってきて話しづらい…
「ふっ…んぅ…ッ…」
「でも、好きになることはなかったよ。
それにね…」
「?」
もう、彼には…
「んぁっ…は…っ…」
「鏡夜には、恋人がいたから。」
あの人の話をする鏡夜は、すごく幸せそうだった。
「いつも無表情の鏡夜が、あの人の話をする時は笑ってた。」
「…っ…ふぅ…」
彼にとって…あの人は、本当に大切な存在だったのだろう。
「鏡夜が俺を助けてくれたのも、俺がその人に似てたからだと思う。」
「似てた?」
初めて助けてもらった時、鏡夜にお礼と、理由を尋ねた。
「うん。 性格がね…似てるんだって。」
「空さっ…いい加減に…ッ…」
似てるから…放っておけなかったらしい。
「無理。」
「ちょ、どこ触って…!!」
「へぇ~…」
「鏡夜さんはどこにいるの?」
…なんか、後ろから怪しい会話が聞こえる。
「俺より1ヶ月早く帰ったんだけど、わからない。」
「んぁっ…」
「気持ちいい?」
鏡夜は俺になにも告げずに帰ったからな…
「おい。」
「ん?」
痺れを切らしたのか、境が空に声をかけた。
「始めるなら、他の部屋行けよ。」
「あぁ、悪いな。」
「ぇっ!?」
空は驚いている春架を担ぐと、足早に部屋を出て行った。
