
恋ばか
第35章 ~おまけ2~
「いい子だね、鏡夜。」
「にゃ~」
再び鏡夜を膝の上に乗せる。
「もう触っても平気かな?」
「たぶん…」
亮の質問に対する答えに自信はなかったが、頷いた。
「おっ…」
亮の手が伸びてきても、鏡夜はなにも言わない。
「触れた。」
「ね。」
鏡夜の全身の毛が逆立っているが、そこは言わないでおこう…
「にゃ~!!」
少しの間亮に撫でられた後、鏡夜は俺の肩の上にまた乗ってきた。
「にゃ~にゃ~」
「よくできました。」
そう褒めると、鏡夜は嬉しそうに鳴いた。
「にゃ~…」
「眠いの?」
あくびをした鏡夜に問いかける。
「にゃ…」
「あらま。」
鏡夜は絶妙なバランスを保ちながら、俺の肩の上で寝てしまった。
「すごいね、この子。」
「うん。 落ちそうにない。」
猫のバランス力ってすごいな。
「猫って、人懐っこい動物だったっけ?」
「いや、そんなことはないだろ。」
春架の疑問に、境が答えた。
鏡夜はというと、俺の肩の上で気持ちよさそうに寝息をたてている。
「そういえばさ、春架はどうしてこのタイミングでさっきの話したんだ?」
「ん?」
話題がなくなった時、境は急にさっきの話を持ち出してきた。
「誤解したままだと、なんか二人に悪いかな~…って。」
空の隣でお菓子をつまみながら、春架はそう答えた。
「なんで媚薬を盛らなかった?」
「うーん…」
春架は少し考えた後、亮を見てから空を見た。
「自分のことを好いてくれてない相手に抱かれるのが嫌だったから?」
「「は?」」
俺たちが頭に「?」を浮かべると、春架は面白そうに笑った。
