
トライデント
第5章 強きゆえに…
デイジー「私、あなたを友人として失いたくない。」
ハーデスは逆にデイジーが心配になった。
デイジー「私孤児院のときもあまり人と話せない性格だったの。だから友達はゲオルグ達だけだった。でもみんなは友達もたくさんいた。」
デイジーは物静かな性格のため、あまり周囲には知られてない子だった。
デイジー「ここにきても神様として扱われて、みんなよそよそしく話してきてたの。でも、あなたは違った。あなたとゲオルグは私に友達として接してくれた。本当に嬉しかった。」
ハーデス「デイジー…。」
いつしかデイジーは泣きじゃくっていた。
デイジー「私、友達をもう失いたくないよ。この戦争でも友達を失ってしまってる。ハーデス、どこにもいかないで!」
デイジーはハーデスの胸にしがみついた。
デイジー「あなたが何者であろうと、出会ったときの優しくて強いあなたがハーデスであってほしい。あなたが何者であろうと、友達でいてほしいの!」
ハーデス「あ、当たり前じゃないか!俺だって強い!自分を失わない自信だってある!」
ニコッとハーデスは笑った。
ハーデス「ただ、お前達やこの神殿の奴らを傷つけたくない。記憶が戻りそうになる度に傷つけてしまっている自分がいる。」
デイジー「私は絶対に傷つかない!!ハーデスのためだから!」
