
トライデント
第5章 強きゆえに…
ハーデス「デイジー、なのか?」
デイジーが部屋に入ってくる。
デイジー「なんて恐い顔してるの。」
デイジーは悲しそうに言った。
ハーデス「あ、わ、悪い…。そうだな、ヤツもこんなとこまでは…。」
デイジー「ペルセポネーって子?」
デイジーは心配していた。
ハーデス「ああ…。正直俺だってコワい。」
デイジーは感じていた。
あの強く優しかったハーデスの顔は恐ろしい表情をたまに出し、かすかに震えている身体、ハーデスはまさに何かに侵略されている。
デイジーは隣に座った。
ハーデス「それより、さっきはごめんデイジー。俺は自分の恐怖に勝てずに君を傷つけてしまった。ごめん。」
ハーデスは顔を俯かせて謝った。
デイジーはハーデスの手を握って笑顔で許してくれた。
デイジー「気にしないで、ハーデス。私こそビンタしてごめんね。」
ハーデス「デイジー…。」
デイジーの笑顔の瞳からは一筋の涙が流れていた。
ハーデス「どうしたんだよ?」
