
月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第23章 揺れる心
「どうだ、どのような印象を受けた?」
質問に、光王は仏頂面のまま応える。
「別に、どうということはありませんでした。美しいといえば、美しい女人なのでしょうが。特に心に残ったところはありません」
「随分な言い様だな」
笑いを含んだ声音に、光王は父を真正面から睨みつけた。
「一体、どういうおつもりでしょうか? 父上は、私に香花というれきとした妻がいることはご存じのはず。なのに、今更、許婚者だか妻だか知りませんが、別の女を押しつけてくるとは。そのようなご質問をなさるということは、父上もまた義母上と同様、私に香花を棄て、あの高慢な両班女と一緒になれと?
それとも、私の香花への想いをお知りになりながら、私をからかっていらっしゃるのでしょうか」
質問に、光王は仏頂面のまま応える。
「別に、どうということはありませんでした。美しいといえば、美しい女人なのでしょうが。特に心に残ったところはありません」
「随分な言い様だな」
笑いを含んだ声音に、光王は父を真正面から睨みつけた。
「一体、どういうおつもりでしょうか? 父上は、私に香花というれきとした妻がいることはご存じのはず。なのに、今更、許婚者だか妻だか知りませんが、別の女を押しつけてくるとは。そのようなご質問をなさるということは、父上もまた義母上と同様、私に香花を棄て、あの高慢な両班女と一緒になれと?
それとも、私の香花への想いをお知りになりながら、私をからかっていらっしゃるのでしょうか」
