
月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第23章 揺れる心
いつか、身分差などない拓けた社会を作る夢も、特権階級の者たちだけが肩で風を切り、貧しい民が不当に搾取されることないような世界を作る願いもずっと持ち続けてゆきたい。
光王は、無心な寝顔を見せる香花の頬をそっと撫でる。頬には幾筋もの涙の跡が残っていた。
蔑まれるだけ蔑まれ、死んでいった母親のためにも、愛する女のためにも、いつか必ず、誰もが平等で笑って暮らせる世界を―この国をそんな国にしてやる。
光王はもう一度、香花の寝顔を労りと愛情のこもった眼で見つめ、静かに立ち上がった。
光王は、無心な寝顔を見せる香花の頬をそっと撫でる。頬には幾筋もの涙の跡が残っていた。
蔑まれるだけ蔑まれ、死んでいった母親のためにも、愛する女のためにも、いつか必ず、誰もが平等で笑って暮らせる世界を―この国をそんな国にしてやる。
光王はもう一度、香花の寝顔を労りと愛情のこもった眼で見つめ、静かに立ち上がった。
