
月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第23章 揺れる心
その日、夜も更けてから、彼は父の居室に赴いた。
「父上、光王です。少しの間、時間を頂いてもよろしいでしょうか」
香花と喋るときは以前の彼そのままだが、流石に父と対する際は態度を改めないわけにはゆかない。
「入りなさい」
中から応(いら)えがあり、光王は入室すると、まずは両手を組んで拝礼を行った。
「夜遅くに申し訳ありません。もしや、お寝みになるところだったのでは?」
その言葉に、真悦は笑った。
「やけに人を年寄り扱いするのだな。気遣いは無用だ。これでも気持ちだけは、まだそなたら若い者には負けぬつもりだが?」
まだしばらくは寝るつもりはないからと付け足すことも忘れない。
「どうだ、学問は進んでおるか?」
まずは問われ、光王は頷きもできず、苦笑を滲ませる。
「父上、光王です。少しの間、時間を頂いてもよろしいでしょうか」
香花と喋るときは以前の彼そのままだが、流石に父と対する際は態度を改めないわけにはゆかない。
「入りなさい」
中から応(いら)えがあり、光王は入室すると、まずは両手を組んで拝礼を行った。
「夜遅くに申し訳ありません。もしや、お寝みになるところだったのでは?」
その言葉に、真悦は笑った。
「やけに人を年寄り扱いするのだな。気遣いは無用だ。これでも気持ちだけは、まだそなたら若い者には負けぬつもりだが?」
まだしばらくは寝るつもりはないからと付け足すことも忘れない。
「どうだ、学問は進んでおるか?」
まずは問われ、光王は頷きもできず、苦笑を滲ませる。
