
月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第17章 夢の終わり
「多分、奥さまは私が養女になると言うまで、私をここから出さないつもりよ」
粥をひと口食べただけで、ここから出すほど、あの理蓮という夫人は甘くない。香花はあの県監夫人の気性をそう読んでいる。
「そうでしょうか」
〝お優しい奥さま〟だといまだに信じているソンジュは、少し納得のゆかぬ顔である。
ソンジュの理蓮に寄せる信頼を壊したくなかったから、はっきりと言わなかったが、お優しいはずの奥さまが見知らぬ娘をいきなり攫ってきて、養女になるのを承知するまで監禁するだろうか?
粥をひと口食べただけで、ここから出すほど、あの理蓮という夫人は甘くない。香花はあの県監夫人の気性をそう読んでいる。
「そうでしょうか」
〝お優しい奥さま〟だといまだに信じているソンジュは、少し納得のゆかぬ顔である。
ソンジュの理蓮に寄せる信頼を壊したくなかったから、はっきりと言わなかったが、お優しいはずの奥さまが見知らぬ娘をいきなり攫ってきて、養女になるのを承知するまで監禁するだろうか?
