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　香花は改めてソンジュを見つめる。
「あなたには色々と親切にして頂いて、それなのに、期待に添えなくて申し訳ないと思ってるの」
　ソンジュは申し訳なそうにうつむいた。
「そんなことを仰せにならないで下さいませ。たとお奥さまの命令とはいえ、私はお嬢さまをここに閉じ込めておく片棒を担いでいるんですもの」
「それは仕方ないことよ。あなたの立場では奥さまに逆らえないことは判っているから」
　賤民の立場では主人である理蓮に背くことは許されない。
「でもね、私はあなたの言うように、私がご飯を食べたら、ここから別の場所に移して下さるとは考えていないの」
「それは、どうしてでございますか？」
　不思議そうに問うソンジュに、香花が力なく微笑む。