
月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第17章 夢の終わり
「それは、もしかしたら十日くらい前のことかい?」
光王が問うと、萬安の妻は大きく頷いた。
「そうですよ、丁度、そのくらいですよ。二人がどこから来たのか、とか、香花と光王の関係はどうなのかって、もう煩いったら、ありゃしないくらい」
やはりと思った。酒場の女将に訊ねた内容と一致している。
光王の沈黙を勘違いしたのか、萬安の妻は笑った。
「大丈夫ですよ、あいつらには何も話してませんから。ごめんなさいね、もっと早くに伝えにいけば良かったのに、ウォングの世話や畑仕事にかまけてしまって、こんなに遅くなっちまった。光王や香花にはいつも良くして貰ってるのに」
心底済まなさそうに言うのに、光王は首を振った。
「そんなことは気にしないでくれ。互いに忙しいのは皆、同じだ。俺も商売にかまけていて、ウォングの顔を見にもこれなかったしな。それよりも、もう一つ教えて貰いたいんだが、その変な奴らっていうのは、県監の旦那の屋敷の下男だってかい?」
「ええ、確かに県監さまの屋敷の使用人だって言ってました」
光王が問うと、萬安の妻は大きく頷いた。
「そうですよ、丁度、そのくらいですよ。二人がどこから来たのか、とか、香花と光王の関係はどうなのかって、もう煩いったら、ありゃしないくらい」
やはりと思った。酒場の女将に訊ねた内容と一致している。
光王の沈黙を勘違いしたのか、萬安の妻は笑った。
「大丈夫ですよ、あいつらには何も話してませんから。ごめんなさいね、もっと早くに伝えにいけば良かったのに、ウォングの世話や畑仕事にかまけてしまって、こんなに遅くなっちまった。光王や香花にはいつも良くして貰ってるのに」
心底済まなさそうに言うのに、光王は首を振った。
「そんなことは気にしないでくれ。互いに忙しいのは皆、同じだ。俺も商売にかまけていて、ウォングの顔を見にもこれなかったしな。それよりも、もう一つ教えて貰いたいんだが、その変な奴らっていうのは、県監の旦那の屋敷の下男だってかい?」
「ええ、確かに県監さまの屋敷の使用人だって言ってました」
