
月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第13章 十六夜の悲劇
「その時、僕は思ったよ。これから先、どんなことがあっても、僕が昌福を守ってやろうって」
景福は涙ながらに続けた。
「なのに、僕は昌福を守ってやれず、酷い死なせ方をしてしまった。香花、何故、昌福が死ななければならなかったんだろう?。あの子がどんな罪を犯したからといって、あそこまでひどい目に遭わなければならなかったんだ?」
景福が堪りかねたように号泣した。
「景福―」
香花は何もかけるべき言葉を持たなかった。こんな時、何を言ったとしても、景福の哀しみを癒やせはしないと判っていたからだ。
香花は景福の手から洗濯物の入った籠を受け取り、そっとその手を取った。十三歳の景福の手は既に十五歳の香花より大きい。その右手を香花は自分の手で包み込み、もう一方の手であやすように優しく撫でた。
どれくらい経ったのか、泣き止んだ景福は恥ずかしげに眼を伏せ、香花の手から自分の手を引き抜いた。
景福は涙ながらに続けた。
「なのに、僕は昌福を守ってやれず、酷い死なせ方をしてしまった。香花、何故、昌福が死ななければならなかったんだろう?。あの子がどんな罪を犯したからといって、あそこまでひどい目に遭わなければならなかったんだ?」
景福が堪りかねたように号泣した。
「景福―」
香花は何もかけるべき言葉を持たなかった。こんな時、何を言ったとしても、景福の哀しみを癒やせはしないと判っていたからだ。
香花は景福の手から洗濯物の入った籠を受け取り、そっとその手を取った。十三歳の景福の手は既に十五歳の香花より大きい。その右手を香花は自分の手で包み込み、もう一方の手であやすように優しく撫でた。
どれくらい経ったのか、泣き止んだ景福は恥ずかしげに眼を伏せ、香花の手から自分の手を引き抜いた。
