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恋は甘い香りと共に

第1章 はじまり





もう一度小さく頷いて、顔を上げないまま裏口から店の方にもどっていく。


奈津美ちゃんの後ろ姿を見送ってから私はゆっくり中村翔に向き直った。



「あらしちゃん、厳しいね」



口の端をあげた、人を馬鹿にしてるような笑い方。


さっきのモデルスマイルとは大違いだ。


これが、本当の顔ね。



写真でも撮って学校に…いや全国にバラまいてやりたいわ!



「あんた自分のしたことわかってる?」



「別に良いじゃん。キスなんて減るもんじゃ無いでしょ?」



ああ、何処までも救われない奴。




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