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恋は甘い香りと共に

第1章 はじまり



それでも彼女が蒔いた種だ。


コーヒーこぼしたのは決して故意ではないと知っているが彼女は浮かれていた。


同い年であるけどちょっと厳しくしておくか。


そんなことを考えていた私の横で藍川湊人がYシャツを羽織っている。


母は何度も頭を下げていた。


なんか、変な感じ。


あんな嫌っていた奴と母と3人で同じ空間にいる。


「…じゃあもどります」


「はい!!本当に申し訳ありませんでした」

二人で頭を下げる。


藍川湊人はやっぱりちょっとひいた感じの表情をしてここから出て行った。


「杏里」


母の声がして顔を上げる。


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