テキストサイズ

恋は甘い香りと共に

第1章 はじまり


「…周りがあんなに騒いでて食わないなんて無理だろ」


驚いた。


…っていうか素直に嬉しい。


「で?で?どうだった?」


あまりしつこく聞きすぎたのか彼は顔を背けてしまった。


微かに顔が赤いのは気のせいか?


「…さっき言ったろ」


「もう一回!」


「…嫌だよ」


藍川湊人はどうやら不機嫌らしい。


それでもうちのケーキを美味いって言ってくれた。


この人をどうも好きになれないがそう言ってくれるなら悪い人ではないらしい。


やばい、なんか嬉しい。


「…家族のこと素直に誇れるっていいな」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ