
恋は甘い香りと共に
第1章 はじまり
今、カフェの責任者は私だ。
この状況に目をつむってほわほわやってきてしまった。
「すぐにコーヒーを持ってきますので少々お待ちください」
3人は黙ってしまって何も言わない。
私はそのまま奥に引っ込んだ。
「杏里ちゃん!また行ってきたの?ずるいよ~」
「ごめんね、レジありがとう」
私は奈津美ちゃんに答えながら藍川湊人のコーヒーを注いでまた3人のテーブルに行こうと足を向けたのだが。
「ちょっと!杏里ちゃんはもう良いでしょ!?あたしがいく」
「え、わ、駄目っ」
ミスしたの私何だって!
そんな声は届かず奈津美ちゃんは私からコーヒーを強引に奪い取って表に出て行ってしまった。
