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恋は甘い香りと共に

第1章 はじまり




「…はい」


渋々、という感じでうなずくとすごーい!と金山悠が声を上げた。


もういいかな、と思って頭を下げる。


「失礼します。ごゆっくりどうぞ」


ようやく解放された、と胸をなで下ろしたときに今まで喋らなかった藍川湊人の声がした。


「…コーヒー」


「え」


「…コーヒーまだなんだけど」


はっと目が覚めたようだった。


コーヒーもう一杯、とついさっき聞いたばかりの声が蘇る。


「申し訳ありませんでした!すぐに持って参りますので…」


「大体」


「へ」


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