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もしも、君を愛せたならば

第10章 ガラム

〝ねぇ、和也さん、
 あたしと付き合ってよ〟

和也の背中に
イキナリこんなセリフを投げた。

一瞬和也の困った横顔が見えた。

〝やー、お前、
 昨日の今日だぞ?。
 俺は夏帆のこと、
 何にも知らねーし〟

〝それでもいいから、
 付き合ってよ〟

〝いや、お前が良くても
 俺がねぇ~・・・〟

〝じゃあ、ダメって事?〟

テンポ良く返す私に
ますます和也は焦る。

〝あのなー、
 いやいや、そうじゃなくて、
 付き合うってのは、
 もっとお互いを知ってからだろ?〟

〝出た、また昭和だ!!〟

〝だってそうだろ?
 つーか、昭和じゃねーし。
 いや、昭和生まれだけど〟

〝プっ!!!〟


しどろもどろ話すところが
とても、とても愛おしく見えて
ベッドに腰掛ける和也に
私は後ろから抱きついた。

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