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もしも、君を愛せたならば

第34章 離れられない

私は、シンを傷付けたことで
自分も傷ついて、後悔して
何があっても二度と裏切らない、
心の中で何度も何度も思った。


シンは、
そんな私の気持ちを汲みとるように
冷たい唇をまた重ねてきた。

私はずっと泣いていて
シンは何も言わなくて、
でも、何度も何度もキスをして
時間だけが静かに過ぎた。




胸の奥はキュっとなって
こんなに苦しいキスは初めてだ。



「・・・シン・・・

 あたし・・・もう・・・



 離れたくないよぉ・・・」



シンは
また私をギュっとすると
私の髪や頬に順に触れて、
唇にそっと触れたかと思うと
またキスした。



「わかってる・・・・


 もう・・・
 俺だって限界・・・




 亜矢がいねーと・・・



 ・・・やっぱダメだわ・・・」




シンにそう言われて、
また涙がこみあげてきて

離れたくない、

離れられない、

そう思った。








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