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もしも、君を愛せたならば

第32章 とにかく

「ゴメンな、夏帆・・・

 折角クリスマスなのに
 どこも連れてってやれなくて」


和也は私の部屋に置いてある
自分のTシャツとスウェットに
怠そうに着替えながら言った。

私は、
来てくれただけで嬉しくて
後ろから抱きついてみた。


「んーん・・・全然。

 会えただけで嬉しい・・・」



すると和也は
咳き込みながらも
ベッドに腰掛けて私をギュっとした。



「なぁ、夏帆、
 この前言ってた話」


「??旅行の話?」


「違う」


私はピンときて
顔が真っ赤になった。


〝結婚しよう〟そう言ってくれた
あの日の事を思い出した。

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