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もしも、君を愛せたならば

第32章 とにかく

12月の3週目が終わる頃。


月末の旅行を目前にして
私の心は弾んでいた。

和也は仕事が忙しくて
平日の夜は少しだけ電話して
眠るのが日課になっていた。

どんなに疲れてても
寝るまでに必ず
電話をかけてきてくれる、
和也のそんなところに
私は優しさを感じていた。




「もしもし夏帆ー?
 起きてた?」


「起きてたよッ。

 今日も遅かったんだね~
 お疲れ様!!」


「年末だからなぁー
 何だかんだでいっつも残業!」



私は、忙しい和也に
申し訳ない気持ちも感じつつ
去年は会えなかった
クリスマスの事が気になった。



「ねぇ和也、

 24日って忙しい・・よね?
 平日だもんねッ」



「あー24日かぁ、
 そーだよなぁ
 
 クリスマスだもんなー」


私は、会いたい気持ちを
ごまかしながら言った。


「ゴメンッ!!
 今の忘れてッ!!
 旅行に行けるだけで、
 アタシ十分だから!!」




そう言うと、
和也はゴメンと言って
おやすみを言ってきた。


私は、仕方のない事とはいえ
少しがっかりしながらも
眠りについた。

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