テキストサイズ

もしも、君を愛せたならば

第30章 嘘

日はすっかり暮れて
凍える位に風が冷たい。

12月の2週目の終わり頃。
俺は汗を流しながら
和也の四駆の車の下に
仰向けに寝っころがる様に
潜り込んでいた。


「おーシン!!
 頑張ってんなぁ!!
 しっかりやれよー!??」


バイト先の店長が
冷えたコーラを
俺の首元に突っ込んできた。


「あッつ!!!!

 じゃなくて、冷てーーーッ!!」


俺は思わず工具を放り投げて
車の下から出てきた。


「バッカだねー!!!
 ハハハーッ!!!」


すっかり客足も無くなった
ガソリンスタンドのピットの前で
店長と和也は笑い転げる。


「んだよ!!!
 邪魔してんじゃねーよッ!!

 あぁもー店長やめてよ~」


「んだとー?
 店長に向かってそりゃねーなぁ!
 減給だなーシン~」


俺は月末の旅行の為に
和也の車を整備してた。

和也は店が閉まる前に
よくこーやって遊びに来る。

んで、店長と盛り上がる中
俺はせっせと働かされる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ