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もしも、君を愛せたならば

第23章 アイツら

すると、
中庭に亜矢がいるのが見えた。

シンは、窓を開けて亜矢を呼んだ。

〝亜矢ー〟

シンに上から呼ばれて、
亜矢はさっぱり意味不明な
ジェスチャーをした。


〝おー、おっけー!!〟

〝え!?
 今の何だよ?
 全ッ然わかんねー(笑)〟


シンは窓を閉めると
何でもないとか言って
イキナリ廊下に出てった。


俺は、
ナツと二人その場に残されて
ちょっと緊張した。


〝ホント仲いーよねぇ
 シンとこは♪〟



シンと仲がいいのか?
媚びた感じが全くない。


〝あ?あぁ!
 だよなー!だよなー!!
 んっとにウゼーよなぁ~〟

〝えー?
 ウザくないよ全然~!〟


ナツはクスクスと笑うと
弁当を片付け出す。

卵がもう一個残ってるのを
また俺の口に突っ込んだ。



〝そんじゃーねー〟

そんで、それだけ言うと
体操着を持って教室から出て行った。

思わずそれを目で追うと、
ちょうど廊下にシンと亜矢がいて
こっちを見て笑ってるのに気付いた。


ウザイ。


俺は腹が立って、
シンの弁当の残りを全部食った。




そんで、その日初めて思った。


アイツらが羨ましいって。

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