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もしも、君を愛せたならば

第21章 同窓会

〝どうする?〟

仕方なしの表情で、
タクミは言った。



〝・・・・行く〟

私は、泣きじゃくった顔を
見せないよう俯いて、答えた。


タクミに彼女がいようが
自分に彼氏がいようが、
ただ、今の自分はタクミが好き。

私の頭の中は、それだけで、
他には何にも考えられなかった。



時間は既に夜の11時を過ぎていた。

タクミは何も言わず
部屋のドアを開けた。


懐かしい、
そんな匂いがした。


庭にある離れの二階が
タクミの部屋になっていて、
孤立したその空間が好きだった。

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