
精霊と共に 歩睦の物語
第5章 花火を見るって大変
「くそ、排除し切れてなかった!」
怒りと後悔の顔をした楓の足元に二匹の犬がいる。
「ワーン…て!事は…あの子も敵?」
お面の子を見る歩睦。
「私は……」
女の子は片手をスーッと上げる。
掌の中に力の塊が現れる。
「土の者に用事があるの!」
可愛らしい顔は、禍々しい顔に変わって歩睦を襲ってきた。
「やっぱり、この子も敵側なんだ」
歩睦は、浴衣の上からペンダントを握りしまる。
カッっと、ペンダントが輝き歩睦を包み込む。
「ググッ……おのれ、守りの光か!力ある者よ!……私と遊ぼうよ…土のぉ……ううん…歩睦お兄ちゃん!」
禍々しい顔から、可愛らしい顔にもどって、歩睦に笑いかける。
歩睦は容姿が戻った事でホッとしたが、楓は歩睦の側から離れない。
「もう、その手は効かないよ」
どこに隠し持っていたのか、数本の小刀をお面の子に向けて投げる楓。
「きゃ!危ないじゃない!」
言葉では、ビックリしたような口ぶりだが、小刀はまったく当たらない。
「だから、お兄ちゃんと遊ぶのは飽きたの。私はぁ、歩睦お兄ちゃんといい事したいのよ」
小さな口から舌を出して、唇を舐めて歩睦を誘うお面の子。
「…マセガキ……」
黒いオーラの楓の声がした。
「せ…」
クゥーン
歩睦が声を出そうとした時、側に居たワーンが小さく鳴いた。
(ワーン…あれ?もう一匹が居ない…)
歩睦が、足元の犬が一匹しか居ない事に気付く。
怒りと後悔の顔をした楓の足元に二匹の犬がいる。
「ワーン…て!事は…あの子も敵?」
お面の子を見る歩睦。
「私は……」
女の子は片手をスーッと上げる。
掌の中に力の塊が現れる。
「土の者に用事があるの!」
可愛らしい顔は、禍々しい顔に変わって歩睦を襲ってきた。
「やっぱり、この子も敵側なんだ」
歩睦は、浴衣の上からペンダントを握りしまる。
カッっと、ペンダントが輝き歩睦を包み込む。
「ググッ……おのれ、守りの光か!力ある者よ!……私と遊ぼうよ…土のぉ……ううん…歩睦お兄ちゃん!」
禍々しい顔から、可愛らしい顔にもどって、歩睦に笑いかける。
歩睦は容姿が戻った事でホッとしたが、楓は歩睦の側から離れない。
「もう、その手は効かないよ」
どこに隠し持っていたのか、数本の小刀をお面の子に向けて投げる楓。
「きゃ!危ないじゃない!」
言葉では、ビックリしたような口ぶりだが、小刀はまったく当たらない。
「だから、お兄ちゃんと遊ぶのは飽きたの。私はぁ、歩睦お兄ちゃんといい事したいのよ」
小さな口から舌を出して、唇を舐めて歩睦を誘うお面の子。
「…マセガキ……」
黒いオーラの楓の声がした。
「せ…」
クゥーン
歩睦が声を出そうとした時、側に居たワーンが小さく鳴いた。
(ワーン…あれ?もう一匹が居ない…)
歩睦が、足元の犬が一匹しか居ない事に気付く。
