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ガーディスト~続編~

第6章 ハロウィンの夜に(後編)

「え…何してんの?なんでそんなとこにいんの?」



「ちょっと探し物してたんだよ…てか、なんで水ぶっかけんだよ!!」



「え…だって煙が出てたから…」



「それは俺がタバコ吸ってた煙だ、馬鹿野郎」



「馬鹿野郎!? あ~そうですか!! 早とちりしてどうもすみませんでした!!」



「でもお前が来てくれて助かった。できれば長いハシゴかロープ持ってきて欲しいんだけど…」



「自力で上がれば?それくらいできるでしょ?ボディーガードなんだから」



「はあ!? お前が水ぶっかけたせいで滑るんだよ!!」



「知らない知らない。だいたい、帰ってって言ったのになんでまだここにいんの?」



「…っせえな。お前らが心配だからに決まってんだろ…」



「……」



急に黙ってしまった美夏を、護は首を傾げながら見上げた。



「お~い、美夏?」



「…しょうがないからハシゴ持ってきてやるよ」



そう言うと、美夏の人影はいなくなった。



少し経って、ズルズルと何かを引きずる音と共に美夏が現れた。



二段階に折り畳まれたハシゴを広げて、美夏は井戸の中にハシゴを下ろしていく。



「サンキュー」



護はガシガシとハシゴに上った。


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