テキストサイズ

掌の浜辺

第1章 春 - story -

20.遊べ

いい言葉が見つからないけど
人それぞれに対して
どんなふうに考えていたのかな


 月曜日、1講目から授業かよ、めんどくさっ! と思う人が大半だと思う。でもこの授業は一切そう感じさせない。科目名は心理学(福文A)、福は社会福祉学部、文は人文学部、社会福祉学部の学生と人文学部の学生が履修できる、Aというのはクラス名で他にBクラスがある。毎年、履修者が150人を超すクラスで、1クラスではまかないきれないと大学側は言っているみたい。毎回教室ぱんぱんになっているし。教室変更しないんか。
 このクラスの担当の先生は、認知心理学を専門にしている。かなりおっとりしているが、それがおもしろい。雑談にも時間をかけてくれるし。何より、単位が取りやすい。これを使わない手はない。しかも、講義の始まりを9時にしてくれている。本来なら講義時間は8時50分からの90分間。でもここではその始まりを10分遅くし、さらに10分くらい早めに授業を切り上げてくれるから、かなり楽。授業らしい授業していない感じするし。
 「さぁやりますか」
 マイクを手に取り、授業スタ-ト。

 【連想ゲ-ム】
 白チョ-クで黒板に文字が記された。あたりはまだざわついている。
 「今からここにいる全員で連想ゲ-ムをしていきます」
 少し静かになった気がする。遅れて教室に入ってくる人もいる。
 「いいですか?じゃ、お題を出しますよ」
 カッカッカッ

ストーリーメニュー

TOPTOPへ