
掌の浜辺
第1章 春 - story -
「こんにちは!」
「こんにちは」
会社の受付案内であいさつする癖はついている。すれ違う方にもそうしたいのに、声が出なくて会釈だけで終わってしまう。だめだ、だめだ、こんなんじゃ、と思ってはいるんだけど、ありのままの姿で来て下さいっていう人事の人の言葉が頭から離れないからかな? 余計に控え目になっている気がする。また繰り返すのかな…
今の私、すっごい縮こまってる。就活ノ-トをカバンにしまうタイミングを逃してしまうほど。
チン
「5階です」
音声が流れ、エレベ-タ-の扉は開いた。
エレベ-タ-を降りると、右手に斉藤さんがいた。若い女性の、人事の人。
「こんにちは。面接会場はこちらになります」
「はい」
(あれ…)
さっきまでの緊張
どうしたんだろう
全然なかったようなんだけど
こんなの初めてだから
少し
っていうかかなりあせる
何で緊張がほぐれたんだろう
それも一瞬で斉藤さん
を見てから
若い女性の人で年齢が近くて
親近感がわくからというのもあるけど
一番は斉藤さんに惹かれたから
…かも
「こんにちは」
会社の受付案内であいさつする癖はついている。すれ違う方にもそうしたいのに、声が出なくて会釈だけで終わってしまう。だめだ、だめだ、こんなんじゃ、と思ってはいるんだけど、ありのままの姿で来て下さいっていう人事の人の言葉が頭から離れないからかな? 余計に控え目になっている気がする。また繰り返すのかな…
今の私、すっごい縮こまってる。就活ノ-トをカバンにしまうタイミングを逃してしまうほど。
チン
「5階です」
音声が流れ、エレベ-タ-の扉は開いた。
エレベ-タ-を降りると、右手に斉藤さんがいた。若い女性の、人事の人。
「こんにちは。面接会場はこちらになります」
「はい」
(あれ…)
さっきまでの緊張
どうしたんだろう
全然なかったようなんだけど
こんなの初めてだから
少し
っていうかかなりあせる
何で緊張がほぐれたんだろう
それも一瞬で斉藤さん
を見てから
若い女性の人で年齢が近くて
親近感がわくからというのもあるけど
一番は斉藤さんに惹かれたから
…かも
