
俺はもう、
第3章 *宣戦布告..
「翔太とまじでする覚悟できてんの?」
「うん。
そりゃまだ怖いけど・・・」
語尾が小さくなっていく玲奈。
膝の上でぎゅっと拳をつくった。
「翔太を悪い奴だとは言わねぇけど、初めてってもっと大切にした方がいいと思う。」
「なんでそんなこと言うの?私は本当に河野くんが大好きだもん。」
「本気で?」
「うん。」
「幼馴染の俺より?」
「え?」
運転してる優は前を真っ直ぐ見たままストレートに聞いた。
そうやって目を合わせない優はズルい。
「だって優は幼馴染だもん。
河野くんの好きとはまた違うよ。」
気まずい雰囲気を消したくて、作り笑いで誤魔化す。
握り拳の中には嫌な汗をびっしょりかいていた。
「確かに俺はただの幼馴染だよ。
だから昨日だって途中で止めた。
でも翔太は、玲奈の彼氏で幼馴染じゃない。」
「・・・・・」
「言ってる意味わかるよね?」
恐る恐る優の顔を見ると、信号待ちのせいかコッチを見る優と目が合った。
「翔太は途中で止めたりしない。
玲奈が泣きわめこうと、暴れようと。
男は、そういう生き物なんだよ。」
優の綺麗な瞳に映る私は強張った顔をしてて、嘘でも「大丈夫」なんて言える余裕なんてなかった。
