
俺はもう、
第3章 *宣戦布告..
「じゃあね。」
手を振ると同時に鍵についたキーホルダーがチャラッと音をたてた。
……グイッ!!
「っ!?」
腕を引かれると体が後ろへとバランスを崩す。
あまりに突然のことに声も出なくて、状況を理解するまでに体が固まった。
私、キスされてる・・・・
腰に回された腕で体を支えられ、頭の後ろに回された手で身動きが取れない。
「っ・・・」
唇が離れると、不思議と心が締めつけられた。
「強がんな。
キスくらいでビビってるくせに。」
目に涙が溜まる。
どうして?
私にキスするの?
優はもう、私のことを好きな幼馴染の時とは違うのにー・・・
「そんなんでキス以上のことできんのかよ。
翔太を受け入れることになんだぞ。」
「っ・・できるもん・・・」
負けず嫌いの私は優を睨みつける。
瞳に溜まる涙は零れる寸前ー・・・
「玲奈、初めてなんだろ?
そういうのって、「好きだもん。河野くんが初めてで私はいいと思ってる。」
玲奈の一言に口を閉ざしてしまった優。
「勝手にしろ」
優は立ち去り際に玲奈の肩に軽くぶつかるが、そのまま家の中へと入っていった。
「なんなの、あいつ・・・」
私の初めてなんてどうだっていいじゃん。
