
えっちな妄想は生きる糧。
第2章 カレ×カノ@彼氏の部屋で
「風香…大胆だね、今日」
透明な糸を引きながら、ゆっくりと唇を離す。
あたしは、気付くと夢中で雄大くんの舌を自分の舌に絡ませていたらしい。
それでもまだ足りなくて再び唇を近付けたが、雄大くんの両手があたしの頬を抑え付けてそれを止めた。
「なんで…?なんで止めちゃうの…?もっとしたいのに…」
「風香、なんか変だよ…?」
あたしはその言葉も手も無視して唇を求めた。
でも、力が強くて抗えない。
「…焦ってる?」
その言葉にドキッとした。
何か言おうとして言葉が出かけたけど、声が出なかった。
「図星、か」
顔が一気にカッと熱くなるのがわかった。
何も言えなくて、どうしたらいいのかわからなくて、でもどうにかしたくて、なぜか涙が溢れてきた。
雄大くんが笑いながら頬を伝う涙を指先で拭ってくれた。
「…焦って、俺に追い付こうとしてるんでしょ?」
雄大くんは、なんでもお見通しなんだ。
あたしは何度も頷いた。
