
えっちな妄想は生きる糧。
第2章 カレ×カノ@彼氏の部屋で
「雄大くん…」
ソファーに寄り掛かりながら雑誌を読んでいた雄大くんに、後ろから声を掛ける。
あたしの声で振り返った雄大くんは黒縁のメガネを掛けていて、色っぽさを増していた。
なんだか、もう頭がクラクラしてきた。
「風香大胆。…顔真っ赤だよ?」
あたしはバスローブの着方がイマイチわからなくて、紐を結ばずに羽織って前を押さえている。
それに向けられた妖艶な微笑みに、体の芯から火照り、頭がぼうっとする。
もう、こんなにも雄大くんに抱かれたいと思ってる…。
「風香、こっち来て…?」
そう切ない声で言い、座ったまま手を広げている。
嫌がる理由も、拒む理由も、ない…。
「ありがと、風香」
雄大くんはそう言って、倒れ込むように飛び付いたあたしを優しく受け止め抱き締めてくれた。
あたしが雄大くんの膝の上に座る形になって、互いの腕を背中に回した。
雄大くんは、腕の中でたくさんたくさんキスをしてくれた。
触れるだけの、優しいキス。
「ん…」
嬉しいけど、これだけじゃ物足りない。
もっと…。
