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幼馴染みで友達な彼女?

第10章 ・・・ドキドキしてる

振り向いた松沢さんは
こちらに向かってくる柴犬から
目を逸らさず見入っている。
柴犬も松沢さんに気づいたか
飼い主を引っ張るように
一直線に松沢さんの所まで来てしまった。

「わぁ!可愛いですね。男の子ですか?」

柴犬は座っている松沢さんの太ももの上に
前足を乗せて顔を舐めようとしていた。

「すみませんね。男の子なんですけど
 女の人が好きみたいで・・・」

おばさんと言うには若く見える
ご婦人は申し訳なさそうにしている。

「いえいえ。ワンちゃん好きですから」

松沢さんが柴犬の頭やのど元を
撫でまくっている何かに気づいた様に
柴犬は松沢さん股間に向かって鼻先をむけた。
と同時に飼い主がリードを引っ張り
松沢さんから引き離した。
どうやら女性のスカートの中に
鼻を突っ込むの常習犯らしい。

ご婦人は何度も「すみません」と頭をさげ
名残惜しそうに松沢さんの事を見ている
柴犬を引っ張って去っていった。
一切僕に興味を示さないまま・・・

「濡れてるのに気づいたのかな?」

「おれもそう思った」

二人で暗くてよく見えない顔を見合わせ
ひとしきり笑いながら下ネタをを語り
さて帰ろうと言うことになった。
歩いて帰宅するのに降りた駅とは違う方に
しばらく土手の上を歩いて行くことになる。

「どうだった?」

「すっっっごいドキドキした」
 
「またやってみる?」

「うん。もっと色々してみたい」

「全裸散歩とかは?」

「う,う~~~~~ん。
 ちょっと怖いなぁ。
 興味はあるけど」

「ならその辺は考えるよ」

「考えるって・・・
 もしかして今日も?」

「あ。しまった。
 あ~~~~。うん。まあね」

「ふぅん。そっか・・・。
 そっか。ありがと」

松沢さんは何か考えながら
お礼を言ってきた。

 Mの女性に対するSとしては
 こういう事はバレちゃ
 ダメなんだろうなぁ。

そんな事を思いながら
歩いていると松沢さんが
僕の腕を引っ張った。

「ねぇ。ちょっと寄ってこうよ」

僕もすぐにピンと来た。
それは夜のランニング中に見つけた
「だれでもトイレ」の事だ。
この近くには割と大きな公園があり
そこには公園の両端にトイレがある。

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