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天才剣士は一くんに夢中

第4章 絶望と驚喜

★★★★★★★★★★★



‥‥‥‥‥‥


まただ。



また変なカンジがする。


「‥‥う‥っ」



口の端から零れる一筋の血。


あっちではまだみんな夕飯を食べてるところなのに。



その時だ。


「総司、本当は体の具合でも悪いんじゃないのか?」



一くん‥!!?



僕はその時ちょうど一くんに背を向けた状態で布団の上に座っていた。

だからまだ血のことがバレていない。


「なぁ‥そう‥」


「こっちに来ないで!!」


「‥‥え?」


僕はついキツい口調で怒鳴ってしまった。

「と、とにかく‥僕今一人になりたい気分なんだ。体のほうは大丈夫だから‥ね?」


「そ、そうか‥。ならいいんだが。」


「うん。じゃあ‥」


一くんは口には出さないけれど酷く傷ついた顔をしていた。

僕だって本当はこんなふうに言うつもりじゃなかった。



けど仕方ないんだよ。僕は一くんに心配かけたくない。


‥それに。
みんなに同情なんてしてもらいたくないんだ、絶対に。



★★★★★★★★★★★

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