
いつもそこには、君がいて
第2章 2 水曜日
私は泣いた。
声を抑えて。
涙をふいて。
結構出るもんだな、涙って。
ハンカチだって迷惑だよ。
いい加減……
あ、鼻水も。
しばらく経って私が鼻をすすり出すと、福田さんはこんなことを話し始めた。
営業所の暖房が4台のうち1台しか機能してなくて風邪をひいてる同僚が多い、だとか、
所長の車だけ、いつも鳥のふんにやられてる、だとか、
アパートの隣の小さな公園には、なぜか毎朝5時頃にラジオ体操の歌を歌いだすおじいさんが現れる、だとか、
よく行く定食屋のおばちゃんは、何も言ってないのにいつもご飯をギュッとてんこ盛りにして出してくれる、だとか……
