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ブルースカイ

第10章 恵(中)

「ええやん。好きやったら我慢できるやろ。」









「好き嫌いやなくて、単なるバカップルやわ。適度な距離あるから、お互い馴れ合いだけにならんねん。」









「意味わからんわ。うちの事、好きなん、嫌いなん?」









あかん、こいつ、好き言わせたいんや。少し説教したろ。









「はいはい。ほな、嫌いでええわ。」









「なんでそんなん言うん?」









「うっとうしいからや。節度ないバカップルなるなら嫌いでええわ。」









うなだれながら、恨めしそうな目を向けてくる恵。知らん顔でタバコに火を点ける俺。










俺がタバコを吸っていると、恵は俺に何か言いたそうに見ていた。









俺は恵に背を向けたまま、ベッドに座る。









背中に指が当たり、そのまま動き出す。なんやろ?









「わかった?」









「ハァ?」









「文字書いたんわかった?」









「いや、わからんわ。」









「ほな、もう一回書くな。」









背中に神経を集中させる。

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