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ブルースカイ

第10章 恵(中)

山さんは寂しそうに笑う。



「お前らが羨ましいんや。打算抜きで助け合える、お互いのために嫌な事も、相手のためなら引き受ける。聡、ええ友達持ったな。やから、何かしてやりたかったんや。」



「基本的に、俺の方が30分くらい早く上がるから、支払い的には負担上がるやろ。」



「見くびるなや。それくらい大した事やない。お前が気にしな。」



「せやな。勝手に時給下げて、俺にそんな偉そうな事言える立場やないな。素直に甘えるわ。」



山さんは苦笑した。



俺は微笑むと事務所を出て、恵達の席に向かう。



恵達の席に座ると、フミが寄って来て言った。



「上がってええらしいから、ちょい待っててな。」



「了解。急ぎや。」



フミは事務所に向かう。俺も酎ハイを注文して、飲み始めた。1杯飲み終わった頃、フミが事務所から出てきたため、俺は伝票を持って計算に向かう。



恵がついて来て言った。



「流石に頻繁に悪いから、今日は出すわ。」

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