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ブルースカイ

第10章 恵(中)

焼き鳥ばっかやと、皆、文句たれるから、たまには変わった事をしてみる。



今日、一番忙しかった揚げ場に回した事で文句を言われたが、気にしたら負け。



あとは洗い場に置いておけば、皆、勝手につまむ。



イメージよりは食えると、意外と好評だった。10時になり、やっと上がらされた。



事務所で出勤簿を書き、土日は休みなので、給料をもらう。また減ってる。



「オッサン。また時給減ってんで。フミは100円上がって、俺は100円下がっとるがな。」




「聡、お前、何のために働いてるんや?」



「ハァ?自分が来い言うたんやろ。」



「金のためやない。ましてや、夢のためでもない。暇潰しや。」



「やからなんや。」



「フミは自分に付き合ってるけど、夢のために金がいるんちゃうか?」



「あっ。そこまで考えた事なかったわ。」



「やから、自分の給料の一部をフミに回しとるんや。決して、俺の懐のためやないで。」




「わかった。ほな、言う事ないわ。でも、なんでなん?」

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