テキストサイズ

ブルースカイ

第10章 恵(中)

高2の冬休みのある日、友達と別れた後、1人でファミレスにいた。



コーヒーだけで時間を潰していると、タバコが吸いたくなった。



だが、当時は補導等に備え、持ち歩いていなかった。



仕方なく、隣の大学生風の人からもらう。他校の生徒指導の担当らしいのが来た時、俺がマサにしたように、かばってくれた。



お互い名前も名乗らず、一度きりの出会いだったが、俺ほど愛想なしではなく、大学の色んな話を聞かせてくれた。



自分が大学生になって、あの人はなんで俺をかばったのか、少しわかった気がする。だから、俺もマサをかばった。



大学生になって、大っぴらに吸えるタバコより、高校時代のコソコソ吸っていた時のタバコの方が一本を真剣に吸っていた気がする。



ただそれだけの理由。そんな事を考えていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ